桜設計集団一級建築士事務所

八ヶ岳の秘密基地

3.つなぐ

 ひとつの建物をつくるためには、たくさんの人々が、たくさんの時間をかけて、たくさんの知恵や技術を持ち寄ります。それらの貴重な時間や情報を皆で共有し、よりよいものは後世へつないでいくことが大切だと考えています。
 “八ヶ岳の秘密基地”では、特に「火」、「木」、「土」に着目して、後世につなぎたいと思うことを設計に取り入れました。使用した素材は、経年変化を楽しめるものが多いので、時間を経ることで、少しずつ味わい深くなり、新品にはない魅力も楽しめるといいなと思っています。

時間をつなぐ

建物をつくる、つかうことを通して建物の経年変化を楽しむことで、建物にかかわる複数の世代をつなぎ、同じ空間で過ごす時間を共有することができます。八ヶ岳の秘密基地は体験宿泊型基地として、多くの人に桜設計集団の考える心地よい空間を体験しながら、心地よいと感じる空間とは何かを一緒に考えてもらえる機会をつくっています。また建物が完成した後も、新しいつかい方や追加設備などの提案を通して、不定期にものづくりのワークショップなどを設けることで、様々な世代が交流し共有する時間をつくることを心がけています。

人をつなぐ

秘密基地では、建築関係者同士、設計者と学生、地元と東京など、基地を介して人とのつながりを深め、さらには新しく人とつながっていくことを大切にしています。場をつくることや時間をつなげることにも関わりますが、建物をつくる過程や建物完成後のものづくりのワークショップなどを通じて、様々な立場の人がつながり、ざっくばらんに意見を交わすことで、新しいことが生まれる場所となるように、これからも秘密基地で色々な企画ができればと考えています。

技術をつなぐ

秘密基地の建物をつくるあたり、素材をえらぶことから始まり、場をつくり、人と人、人とものとのつながりを心がけてきましたが、その中で様々な立場で培われた技術をこの基地を介して後世に伝えていきたいと考えています。具体的には、基地に使われている自然の素材やエネルギーを使い、日、月、火、水、木、金、土をテーマにした建築やものづくりについて、また建築に必要な安心安全な技術とは何かを、より多くの人と一緒に考え広めていければと思います。